Undercrown Maduro Corona Dobleレビュー|カカオバターを追ってバター豚になった115分

酒・葉巻

Drew Estateの「Undercrown Maduro Corona Doble」を吸ってみた。

結論から言うと、これはかなり好みだった。

序盤はカカオ、ピーナッツ、ほのかな甘み。例えるならほとんど甘みを入れていないピーナッツチョコドーナツ

ところが中盤、突然バターのような濃厚さが現れた。

カカオバター。あるいはピーナッツバター。

これが美味すぎた。

普段なら煩わしく感じる燃焼修正さえ、

「修正したら、またバターが出てくるのでは?」

という期待へ変わり、最後には、

「頼む、もう一度出てきてくれ」

という願いにまで変わった。

終盤は強い苦味と甘みゼロのダークチョコへ収束したものの、115分たっぷり楽しめた。

中盤の多幸感だけでも、もう一度吸いたくなる葉巻だった。


✅ おすすめする人

  • カカオ、ダークチョコ、ナッツ系の葉巻が好きな人
  • Maduroらしい濃厚な味を楽しみたい人
  • 甘すぎない葉巻が好きな人
  • 1時間半以上じっくり吸いたい人
  • ピーナッツバターやカカオバターのような濃厚さに惹かれる人


アンダークラウン マデューロ ダブルコロナ[54RG/178mm]


❌ おすすめしない人

  • ミルキーで軽い甘さを最優先する人
  • 苦味の強い終盤が苦手な人
  • 1本に2時間近く使いたくない人
  • 国内定価2,640円を高く感じる人
Undercrown Maduro Corona Doble。7インチ×54RGの長いサイズで、濃いSan Andresラッパーが印象的。今回は屋外で約115分かけて吸っていく。

基本情報

項目内容
銘柄Undercrown Maduro Corona Doble
ブランドDrew Estate
サイズ7 × 54RG
ラッパーSan Andres(Mexico)
バインダーConnecticut River Valley Stalk-Cut and Stalk-Cured Habano
フィラーSelect Brazilian Mata Fina and Nicaraguan
公式ボディMedium – Full
国内定価2,640円
カット9mmパンチ
喫煙時間約115分
終了位置残り指3本分
天候曇り
約8m/s
ドロー良好

公式では、濃厚で深みがあり、リッチで自然な甘みを持つ味わいとして紹介されている。

実際に吸いてみても、濃厚なカカオとナッツを中心に、わずかな甘みが最後まで大きな軸になった。

外観・プレライト

濃いブラウンのSan Andresラッパー。ウッディ、ロースティ、カカオに加え、フットからは甘くないチョコドーナツを思わせる香りを感じた。

濃いブラウンのMaduroラッパー。

ラッパーからはウッディ、ロースティ、カカオ。

さらに、ほんのりカラメルのような甘みと、発酵由来だろうかと思わせるわずかな酸味も感じた。

フットでは少し濡れた紙のような香り。

その奥に、甘くないチョコレート味のドーナツを思わせるものがある。

この時点では、後にこの「チョコドーナツ」が味の中心へ繋がっていくとは思わなかった。

9mmパンチでカット。

ドローは良好。

序盤|ピーナッツチョコドーナツ

序盤はウッディとカカオから始まり、すぐにナッティさが増加。ピーナッツチョコドーナツを思わせる味わいへ変化していった。

着火直後、普通に煙を吐くとかなり淡いウッディ。

そこにほんの少し甘みがある。

レトロヘイルでは一変。

胡椒系のスパイシーさがかなり強烈。

その奥にはカカオがいる。

ボディはこの時点ではミディアム。

副流煙には胡椒のツンとした香りと酸味を感じた。

ところが7mmほど進んだあたりで、早くも表情が変わる。

通常の吐煙では、

ウッディ、ナッティ、ほんのり甘い。

美味しい。

レトロヘイルでは最初の強烈なスパイシーさが落ち着き、カカオ、ナッツ、わずかなスパイスと甘み。

自然と笑みが出た。

これは何だろう。

しばらく考えて、かなりしっくり来た。

ほとんど甘みを入れていないピーナッツチョコドーナツ。

今日の風は約8m/s。

かなり強い。

その影響もあったのか、燃焼面には帯状の燃え残りができやすかった。

ただ、この帯ができている状態ではナッティさが強くなり、かなりピーナッツ寄りになる。

これはこれで個人的には好きだ。

燃焼を修正すると、カカオとスパイスが増し、ほんの少し胡椒が戻ってくる。

面白い。

ただし、修正直後に吸うと一時的にネガティブな味が出ることがあった。

一度は鉄、あるいは製鉄所の周辺を思わせるような匂い。

別の修正直後にも正体の分からない嫌な味が出た。

どうやらこの一本では、修正後は20秒ほど待ってから吸った方が良さそうだ。

甘めのドリンクとの相性も悪くない。

ナッティさは少し弱くなるが、余韻にドリンクのクリーム感が持ち上がる。

カカオは増えも減りもしない。

この時点では、ココアやチョコレート系のドリンクとも合わせてみたいと思った。

中盤|突然のカカオバター

中盤になるとカカオが一段濃くなり、突然カカオバター/ピーナッツバターのような濃厚さが出現。灰は長く伸びたものの、質感はかなり脆かった。

中盤に入ると、全体的に味が濃くなる。

特にカカオが強い。

甘くはない。

しかし、甘いドリンクで甘みを補うと非常に美味しい。

そして突然、それはやってきた。

バターだ。

思わず興奮した。

これはカカオバターだ。

あるいはピーナッツバターのようにも感じる。

濃厚で、オイリーで、カカオとナッツに滑らかな脂質感を加えたような味わい。

ローファット中の私にとっては最大級のご褒美である。

もちろん実際にバターを食べているわけではない。

だが味覚体験としては完全にバターだ。

これは危険だ。

燃焼を少し修正し、20秒ほど待ってから吸ってみる。

すると、むしろバター感が強くなったように感じた。

副流煙も酸味こそ残っているが、序盤より芳醇さが増している。

そして、この辺りからドリンクの立場が逆転した。

悪くはない。

むしろ甘みを補ってくれる。

ただ、せっかくのカカオバター感をドリンクが消してしまうようにも感じる。

この中盤だけは葉巻単体で味わいたい。

それほど美味しかった。

いつもなら、

「また燃焼修正か」

と煩わしく思うはずなのに、この日は違った。

修正すれば、またバターが濃くなるかもしれない。

燃焼修正が煩わしさから期待へ変わった。

何と楽しい葉巻だろうか。

終盤|バターを追い続ける

中盤のバター感を追いながら終盤へ。燃焼を修正するとオイリーさが戻るように感じ、いつしか修正そのものが楽しみになっていた。

しかし、幸福な時間は永遠には続かない。

徐々にバター感が薄れていく。

待ってくれ。

まだ行かないでくれ。

先ほどまで「期待」だった燃焼修正が、いつしか「願い」に変わった。

私は完全にバターを追いかけていた。

それでも終盤に入ってしばらくは、まだいる。

脱灰後に燃焼を修正すると、むしろ濃くなったように感じる瞬間さえあった。

なんという多幸感。

私はバター犬ならぬ、バター豚である。

ブヒブヒ言いながら必死にバターを求める。

ただ、帯状の燃え残りができると、バター感は弱くなる。

修正すると戻ってくるような気がする。

本当に戻ってきているのか。

それとも、一度強烈なバターを知ってしまった私の舌が、存在しないバターを探し続けているだけなのか。

だんだん分からなくなってきた。

喫煙開始から約60分。

バンド下、指2本分ほどのところで、明確なバター感とはほぼお別れになった。

ここからは苦味が強くなる。

はっきり分かるのはカカオ。

甘みゼロのダークチョコレート。

ボディも序盤のミディアムから、終盤ではミディアムフル程度に感じる。

修正直後には薄らオイリーさが顔を出す。

もうバターとは感じないが、それでも美味しい。

このあたりでMaduroの良さを改めて感じた。

私は味そのものだけならShade系の方が好きなことも多い。

ただ、Shade系のミルキーで柔らかい味わいに強い苦味が乗ると、本来の味とぶつかることがある。

苦いミルクは美味しくない。
でも、苦いカカオは不味くない。

Maduroは終盤の苦味すら、ダークチョコレートの延長として受け止めやすい。

これが良い。

ただし、終盤は徐々に酸味も増え、オイリーさは強い苦味にマスキングされていく。

バンド到達で約100分。

まだ吸える。

まだ不味くもない。

しかし舌はかなり疲れてきた。

そして何より、少し飽きてきた。

残り指3本分、喫煙時間約115分で終了。最後にパージを試したが乾いた味になり、十分満足したところで火を置いた。

最後に残り指3本分でパージを試した。

乾いた味。

これは美味しくない。

ここで終了。

喫煙時間は約115分。

「まだ吸える」と「まだ美味しい」は別物だった。

総評|中盤のバターを追わされる恐ろしい葉巻

Undercrown Maduro Corona Dobleは、カカオとナッツを軸にした、非常にMaduroらしい一本だった。

序盤はピーナッツチョコドーナツ。

中盤で味が濃くなり、そこから突然現れるカカオバター、ピーナッツバターのような濃厚さ。

ここが圧倒的なピークだった。

その味を一度知ってしまった結果、後半は燃焼を修正するたびに、

「またバターが出てくるのでは?」

と期待してしまう。

最後には本当に存在しているのか分からないほど薄くなったバターを追い続けていた。

恐ろしい葉巻である。

一方、終盤はカカオ、苦味、酸味へ収束し、破綻こそしないものの少し単調になった。

115分という長さもあり、最後は「不味いからやめる」というより「十分満足したし、もう飽きた」という終わり方だった。

国内定価2,640円。

少し高い気もする。

ただ、この喫煙時間と中盤の体験まで含めれば、十分納得できる価格なのかもしれない。

項目別5段階評価

評価項目点数評価理由
★★★★★カカオとピーナッツを軸に、中盤ではカカオバター/ピーナッツバターを思わせる濃厚さが現れた。非常に好み。
煙量★★★★☆十分な煙量。風速約8m/sの屋外でも味をしっかり追えた。
甘み★★★☆☆甘口ではないが、カカオとナッツの奥に自然な甘みがある。
変化★★★★☆ピーナッツチョコドーナツから濃いカカオ、バター、オイリー、最後は甘みゼロのダークチョコへ明確に変化した。
コストパフォーマンス★★★☆☆国内定価2,640円は高め。ただし約115分の喫煙時間と中盤の満足度を考えれば納得感はある。
作り★★★★★9mmパンチでドロー良好。強風下で燃焼修正は必要だったが、最後まで問題なく吸えた。
満足感★★★★★中盤のカカオバター感は強烈。燃焼修正すら楽しみに変わるほどの多幸感があった。
再購入★★★★☆国内定価では気軽に何本もとはいかないが、あの中盤をもう一度確認したい。
読書適性★★★☆☆長時間吸える一方、燃焼修正と味の変化が気になり、葉巻そのものへ意識を持っていかれやすい。

また買うか|★★★★☆

買う。

ただし国内定価2,640円では、日常的に何本も吸う葉巻ではない。

それでも、あの中盤のカカオバター/ピーナッツバターがもう一度出るのか確認したい。

今回だけの個体差なのか。

燃焼状態との関係があるのか。

次に吸った時も、私はまたバターを追い始めるのか。

それを確認するためにも、もう一度吸いたい。


アンダークラウン シェード コロナダブル[54RG/178mm]

最後に

風速約8m/s。

普通なら燃焼修正の多さに文句を言っていたかもしれない。

しかし今回は違った。

修正する。

20秒待つ。

吸う。

「バターはいるか?」

また修正する。

「頼む、戻ってきてくれ」

気づけば私は葉巻を吸っているのか、バターを捜索しているのか分からなくなっていた。

ローファット中に突如与えられた、カロリーなきカカオバター。

私は今日、バター犬ではなくバター豚になった。

ブヒ。

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