E.P. Carrillo La Historia Doña Elenaをレビューします。
結論から言えば、カカオ、アーモンド、胡椒を上品にまとめた、非常に整ったマデューロです。
序盤はスパイスの輪郭が強く、第一印象は「普通に美味しい優等生」。
しかし中盤以降、普通に煙を吐いたときの余韻からアーモンド系のナッツ感が広がり、レトロヘイルでは茶葉のような発酵感や、バターを思わせるオイリーさも見えてきました。
吸い方と時間によって、少しずつ解像度が上がる葉巻です。
ただし、良さが分かってきた後の持続時間は意外と短い。
終盤は苦味、渋み、熱が強くなり、ドリンクや燃焼修正でも十分には立て直せませんでした。
理解するまで時間はかかる。
しかし、理解した後に長く付き合えるわけではない。
中盤の完成度は高いものの、価格と終盤の失速を考えると、評価の難しい一本です。
✅ La Historia Doña Elenaをおすすめする人
- カカオやアーモンド系のマデューロが好きな人
- 胡椒や茶葉のような発酵感を楽しみたい人
- 派手さより、整った味わいを重視する人
- 普通に吐く煙とレトロヘイルを使い分けたい人
- 甘いチョコ系ドリンクと葉巻を合わせたい人
- 中盤以降に少しずつ開いていく葉巻が好きな人
❌ おすすめしない人
- 序盤から分かりやすい個性を求める人
- 強い甘みを期待する人
- 最終盤まで美味しさが伸び続ける葉巻を求める人
- 高価格帯には明確な驚きを求める人
- 安価なマデューロで十分満足できる人
- コストパフォーマンスを最優先する人

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EPカリージョ ラヒストリア ドナエレナ[50RG/154mm]
※価格や在庫は変動します。購入前に販売ページをご確認ください。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|
| 銘柄 | E.P. Carrillo La Historia |
| ビトラ | Doña Elena 50RG/154mm |
| 形状 | ボックスプレス |
| 購入価格 | 約1,500円/本 |
| カット | ストレートカット |
| 使用カッター | アラスカベア |
| 喫煙時間 | 約75分 |
| 飲み物 | ミルクチョコプロテイン |
| 天候 | 晴れ、風が強い |
| ボディ | ミディアム〜ミディアムフル |
外観|豪華なリングをまとったボックスプレス

濃い茶色のラッパーを使った、細長いボックスプレスです。
ラッパーには葉脈や色の濃淡があり、素朴さも残っていますが、青、赤、金を使った豪華なリングによって、全体には高級感があります。
リングは二重。
メインリングにはLa Historia、下部には赤地でPEREZ CARRILLOと書かれています。
フット部分には鮮やかな青色のリボンが巻かれており、見た目の存在感は十分です。
アラスカベアでストレートカット。
切れ味が良すぎて、指まで切れるのではないかと思いました。
着火前のラッパーからは、ウッディ、カカオ、三温糖。
見た目の濃さに反して、香りは意外と淡めです。
フットは乾いた段ボールのような香り。
ドローはやや重く感じました。
序盤|スパイスを骨格にした、整ったマデューロ

普通に煙を吐くと、うっすらカカオ。
ただし、まだ輪郭は淡めです。
レトロヘイルでは、カカオ、スパイス、ナッツ、ウッディさが現れます。
特にスパイスの輪郭が明確です。
ボディはミディアムからミディアムフル。
ほのかな甘みもあり、全体としては非常にマデューロらしい味わいです。
中心にスパイスを置き、その周囲をナッツや甘みで装飾しているような印象。
ほんのりジンジャーのようなニュアンスも感じます。
副流煙には、カカオ、ナッツ、少しの酸味とえぐみ。
ミルクチョコプロテインとの相性は悪くありません。
ただし、ドリンクを飲むと葉巻のスパイス感は弱くなり、代わりにカカオが前へ出ます。
葉巻の味をそのまま増幅するというより、味の構成を少し組み替える組み合わせです。
吸いながら、
一般的なマデューロは、この葉巻から始まったのだろうか。
などと考えました。
もちろん歴史的な起点という意味ではありません。
それほど、現代的な高級マデューロの教科書のように、味が整っているということです。
私の基準でいえば、
Factory Smokes Maduroに高級感を加え、ナッツよりもスパイスの比重を高くした味。
という表現が近いでしょう。
普通に美味しい。
しかし、国内定価を知っているため、素直に感動してよいのか疑問も残ります。
中盤|普通に吐いた方が、味わい深い

中盤に入ると、序盤に目立っていた広い意味でのスパイス感は鳴りを潜め、胡椒の輪郭が残ります。
副流煙は甘いカカオへ変化。
灰はかなり脆く、表面も崩れやすい印象です。
燃焼を少し修正しましたが、Broadwayのように味が爆発することはありません。
カカオがわずかに濃くなった程度で、全体のまとまりは変わりませんでした。
欠点が少なく、非常に整っています。
一方で、強烈な個性や驚きも少ない。
みんなから好かれる優等生のような葉巻です。
レトロヘイルでは香り自体は強くなります。
しかし、私にはむしろ全体の輪郭がぼやけるように感じました。
胡椒やスパイスの刺激が前へ出ることで、カカオやナッツの余韻が見えにくくなります。
一方、普通に煙を吐くと、刺激は弱いものの、口の中へ味がゆっくりと広がります。
レトロヘイルでパンチを楽しみ、普通に吐いて余韻を楽しむ。
この吸い分けが合う葉巻です。
普通に吐いたとき、カカオの後ろからナッツ感が強く現れました。
Factory Smokes Maduroのピーナッツのような香ばしさとは違います。
もっと乾いており、アーモンドに近い印象です。
中盤の味わいは、
カカオ
アーモンド
わずかな甘み
胡椒
という組み合わせ。
ごく僅かに塩味のようなニュアンスも感じましたが、これはドリンクとの対比による気のせいかもしれません。
ドリンクとのマリアージュ|カカオとアーモンドが広がる
中盤以降、ミルクチョコプロテインとのマリアージュは非常に良くなりました。
ドリンクの甘みが葉巻のカカオを持ち上げ、余韻にはアーモンド系のナッツ感が広がります。
葉巻本来の味を消すというより、得意な部分を強調する組み合わせです。
強く吸い込んでも味は崩れません。
単純に厚みが増し、全体のまとまりも維持されます。
Broadwayでは強く吸うと情報量が爆発しました。
La Historiaは違います。
声量を上げても、話の筋が乱れません。
最後まで優等生です。
中盤以降|茶葉の発酵感が現れる
中盤以降、レトロヘイルから茶葉のような香りが出てきました。
単なるウッディさではなく、発酵させた茶葉を思わせるニュアンスです。
第一印象では、整っているもののパッとしない葉巻でした。
しかし、普通に吐く煙の余韻を追い、レトロヘイルを多用せず、時間をかけて付き合うことで、少しずつ隠れていた味が見えてきます。
これは葉巻版のスルメなのかもしれません。
派手に変化するのではありません。
最初から存在していた要素が、吸い方を理解することで少しずつ見えるようになる。
第一印象だけで判断すると、損をする葉巻です。
リング裏に残された謎の数字
リングを剥がすと、裏側に不思議な数字が印刷されていました。

一つには、
V 3 1/4″

もう一つには、
V 3,17″
のような表記があります。
葉巻本体の長さではありません。
リング自体の展開寸法や、印刷・貼付工程で使われる管理表記の可能性がありますが、正確な意味は分かりません。
もしかすると、
ボックスプレスにおける、我々の勝利。
と宣言しているのかもしれません。
味は静かな優等生。
しかしリングの裏では、密かに勝利宣言をしていました。
終盤|良さが見えた頃には、ピークが過ぎる

終盤に入ると、ごく僅かにバターのような存在が見えてきました。
レトロヘイルでは、オイリーで丸い質感が見え隠れします。
普通に煙を吐いたときの味は、中盤から大きく変わりません。
しかし、レトロヘイルだけは、
序盤:スパイスと胡椒
中盤:茶葉と発酵感
終盤:バターやオイリーさ
と、時間をかけて変化しました。
序盤では輪郭をぼやけさせたレトロヘイルが、終盤では普通に吐くだけでは見えない奥行きを拾ってくれます。
吸い方の正解が、途中で変わる不思議な葉巻です。
ところが、指四本分ほどになると、レトロヘイルでは苦味が強くなりました。
普通に吐けばまだ美味しい。
しかし、明らかにピークは過ぎています。
ドリンクを飲んでも、以前ほどカカオは持ち上がりません。
中盤から面白くなった葉巻ですが、意外とスタミナがありません。
燃焼を修正すると厚みは増しました。
しかし、美味しさが戻るのではなく、渋みと苦味まで強くなります。
副流煙には強い酸味。
指三本分、喫煙時間60分。
この時点が、明らかなやめ時でした。
普通に終了しても、十分な喫煙時間です。
しかし、私はまだ吸います。
最終盤|数パフの延命

指2.5本分ほどになると、不自然なほど熱くなりました。
残っている長さを考えると、熱が回るのが早すぎます。
私は意を決し、ラッパーを少し焼いて、内部にこもった熱を逃がすことにしました。
しかし、それも数パフの延命にしかなりません。
指二本分、喫煙時間75分で終了。
中盤から終盤手前までは確かに味わい深かった。
しかし最後は、驚くほどあっけないものでした。に1,800円を払いたいかという好みの問題でしょう。
総評|整った優等生だが、終盤のスタミナが惜しい
E.P. Carrillo La Historia Doña Elenaは、カカオ、アーモンド、胡椒を中心に、茶葉の発酵感や、バターを思わせるオイリーさを楽しめるマデューロでした。
序盤はスパイス主体。
中盤からカカオとアーモンドの余韻が広がり、レトロヘイルでは茶葉のような発酵感も現れます。
終盤手前には、ごく薄いバター感も見えました。
普通に美味しい。
バランスも良く、強く吸っても味が崩れません。
しかし、全体としては整いすぎており、価格に見合うほどの驚きや個性があるかと聞かれると、疑問が残ります。
さらに、良さが見えてきた後の持続時間が短い。
終盤は苦味、渋み、熱が強くなり、燃焼修正やドリンクでも立て直せませんでした。
安価なFactory Smokes Maduroの方が、終盤まで気持ちよく吸えると感じる場面すらあります。
高級感や複雑さではLa Historiaが上。
しかし、価格差ほど満足度に差があるとは感じませんでした。
項目別5段階評価
| 評価項目 | 点数 | 評価理由 |
|---|
| 味 | ★★★☆☆ | カカオ、アーモンド系のナッツ、胡椒、茶葉のような発酵感があり、普通に美味しい。ただし全体に整いすぎて第一印象は地味。中盤以降は味わい深くなるものの、終盤の苦味、渋み、熱による失速が早かった。 |
| 煙量 | ★★★☆☆ | 必要十分な煙量。強く吸えば厚みは増すが、煙そのものが豊富で豪快という印象ではない。 |
| 甘み | ★★★☆☆ | 三温糖を思わせる甘み、カカオ、アーモンドの香ばしい甘みを感じた。終盤にはバターやオイリーさも見えたが、甘さが主役になるほどではない。 |
| 香り | ★★★★☆ | レトロヘイルでは胡椒、茶葉、発酵感、バターのような香りへ変化。副流煙にも甘いカカオやナッツがあり、味以上に香り側の情報が豊かだった。 |
| 変化 | ★★★☆☆ | 序盤はスパイス主体、中盤はカカオとアーモンド、後半には茶葉、発酵感、バターが現れた。ただし劇的な変化ではなく、隠れていた要素が少しずつ見えてくるタイプ。ピーク後の落ち方は早い。 |
| コストパフォーマンス | ★★☆☆☆ | 約1,500円なら、75分吸えて中盤の完成度も高いため最低限の納得はできる。ただし、終盤の美味しさや満足感では安価なFS Maduroを上回るとは感じにくい。国内定価で購入するなら★☆☆☆☆に近い。 |
| 作り | ★★★★☆ | ボックスプレスの成形は良く、強く吸っても味が崩れにくい。片燃えしても一部は自然に戻った。一方、着火前のドローは重く、灰は脆く、終盤は熱が回りやすかったため満点ではない。 |
| 満足感 | ★★★☆☆ | 中盤から終盤手前のカカオ、アーモンド、発酵感、バターは味わい深い。ただし、面白くなった後の持続時間が短く、最後まで高い満足感を保てなかった。 |
| 再購入 | ★★☆☆☆ | 上品で整ったマデューロとして再確認する価値はあるが、価格と終盤の失速を考えると積極的な買い増しはしにくい。手元の在庫を時々楽しむ程度で十分。 |
| 読書適性 | ★★★☆☆ | Broadwayほど葉巻だけに意識を奪われず、基本的には落ち着いて吸える。ただし、味を理解するには普通に吐く煙とレトロヘイルを使い分ける必要があり、片燃え修正もあったため読書へ完全には集中しにくい。 |
再購入するか
積極的な再購入はしません。
今回の約1,500円という価格なら、気が向いたときにもう一度吸う可能性はあります。
中盤以降のカカオ、アーモンド、茶葉の発酵感は確かに魅力的でした。
ミルクチョコプロテインとのマリアージュも非常に良く、吸い方を理解するほど味が見えてくる面白さもあります。
しかし、国内定価で購入するなら、私は別の葉巻を選びます。
高級感や整い方よりも、最後まで気持ちよく吸えることを重視するなら、安価なFactory Smokes Maduroの方が満足できる可能性があります。
La Historiaは悪い葉巻ではありません。
ただし、価格が期待値を上げすぎます。
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最後に|優等生は持久走が苦手だった
最初は、欠点の少ない優等生だと思いました。
スパイスの輪郭があり、カカオやナッツも整っている。
誰からも嫌われにくい味です。
しかし、強烈な個性や驚きはありません。
ところが中盤以降、普通に吐いた煙の余韻からアーモンドが現れ、レトロヘイルでは茶葉のような発酵感も見えてきました。
さらに終盤手前には、バターのようなオイリーさも隠れています。
付き合うほど、思っていたより味わい深い人物でした。
これは葉巻版のスルメなのかもしれない。
そう思い始めた頃、急にスタミナが切れました。
苦味、渋み、熱。
燃焼を直せば厚みは増しますが、悪い部分まで一緒に強くなります。
中盤から面白い話を始めた優等生は、放課後になると突然疲れてしまいました。
成績は良い。
品行も悪くない。
しかし持久走は苦手だったようです。
リングの裏には、意味の分からない数字が残されていました。
あれがボックスプレスにおける勝利宣言だったとしても、残念ながら終盤の戦いには負けています。
それでも、中盤のカカオとアーモンド、茶葉の発酵感は記憶に残りました。
普通に美味しい。
しかし、価格まで含めると難しい。
そんな、最後まで評価の定まらない一本でした。

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