今回吸ったのは、Plasencia Cosecha 149 Cortez Figurado。
結論から言うと、
とんでもなく完成度が高い。
しかし、私の好みとは少し違った。
そんな葉巻だった。
ドライチェリー、ダークカカオ、コーヒー、胡椒、複雑なスパイス。
次から次へと味や香りが現れ、一本の中に入っている情報量がとにかく多い。
序盤から、
「香りや味の情報量で殴ってくるタイプだ」
と思った。
そして中盤になる頃には、この葉巻そのものが一人の人物のように感じられてきた。
無骨な50代のイケオジが、バーカウンターの奥でどっしり構えながらドライフルーツを齧っている。
男はこちらに何も要求していない。
ただ、その圧倒的な存在感によって、少し離れた場所にいるこちらが勝手に影響され、自分のペース以上に杯を進めてしまう。
そんな葉巻だ。
間違いなく美味い。
凄い葉巻だとも思う。
ただし終盤になるとエスプレッソそのもののような重い苦味に支配され、私は残り指4本ほど、75分でギブアップした。
最後まで吸える人は尊敬する。
✅ おすすめする人
- 濃厚で複雑な葉巻が好きな人
- 胡椒やスパイスの強い葉巻が好きな人
- ダークカカオ、コーヒー系の味が好きな人
- ドライフルーツ系の酸味を楽しめる人
- 一つの味では表現できない複雑さを求める人
- フルボディ寄りの力強い葉巻が好きな人
- 1パフごとに味を考えながら吸いたい人
特に、
「分かりやすい甘さ」よりも「複雑さそのもの」を楽しみたい人
にはかなり刺さりそう。
私自身には完全にはハマらなかったが、
「これじゃなきゃダメ」
という人が出てくるのは非常によく分かる。

基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄 | Plasencia Cosecha 149 |
| ビトラ | Cortez Figurado |
| サイズ | 5 3/4 inch × 56RG |
| ラッパー | Honduras |
| バインダー | Honduras |
| フィラー | Honduras |
| 原産国 | Honduras |
| 製造 | Tabacos de Oriente |
| 公式ボディ | Full-bodied |
| 公式ストレングス | Medium〜Full |
| 公式テイスト | Cream、Dark Chocolate、Earthy Cedar |
| 購入価格 | 約1,800円 |
| カット | Alaska Bearでフラットカット |
| ドロー | 良好 |
| 喫煙時間 | 75分 |
| 終了位置 | 残り指4本ほど |
| 天候 | 曇り |
| 風 | あり |
| 飲み物 | モカ系プロテインコーヒー |
Cosecha 149は、2014年に収穫されたPlasencia家の149回目の収穫に由来するシリーズで、全葉をホンジュラス産で構成したプーロ。公式ではフルボディ、強さはミディアム〜フル、クリーム、ダークチョコレート、土っぽいシダーなどを特徴としている。Cortez Figuradoは5 3/4×56のフィグラード。
今回の購入価格は在庫記録上約1,800円。
外観・プレライト

まず目を引くのが、かなり濃い色のラッパー。
そしてフィグラードらしい両端の形状。
キャップにはピッグテール。
豚がいる。仲間だ。
下側の「COSECHA PRIVADA」のリングを先に外し、Alaska Bearでフラットカット。
ドローは良好。
ラッパーから感じたのは、
- ローストカカオ
- ウッディ
- アーシー
- カラメルの甘み
フットは、
段ボールと干し草。
着火前からかなり濃厚そうな雰囲気がある。
序盤|胡椒、スパイス、そして圧倒的な厚み

着火。
普通に煙を吐くと、
スパイシー、ウッディ、アーシー。
レトロヘイルでは、
- 胡椒
- 複雑なスパイス
- ウッディ
- ロースト
が一気に現れる。
特に胡椒が強い。
そして何より、
味の厚みが凄い。
着火直後の体感ボディはミディアム〜ミディアムフル。
通常吐煙ではスパイシーながら、その奥にほんのりとした甘みも感じる。
約7mm進んだあたりで少し変化。
レトロヘイルの胡椒は少し落ち着き、代わりにスパイス感とロースト感がかなり強くなった。
副流煙も面白い。
複雑なスパイスに酸味、甘み。
この酸味がどこかエレガントな香りを作っている。
ここでもう思った。
かなり個性的だ。
私は今まであまり吸ったことのないタイプである。
燃焼修正すると一気にフルボディへ
少し片燃れしたため修正。
すると、味の厚みがさらに増したように感じた。
この時点ではもう、
フルボディ。
ただし、燃焼修正が原因で味が変わったのか、それともフィグラードの細い着火部分を抜け、燃焼面積が広がってきた影響なのかは分からない。
断定はできない。
ただ一つ分かるのは、
濃い。
そして完成度が高い。
問題は、味の核がまるで掴めないことだった。
何味なのか。
何が主体なのか。
一つを捕まえたと思ったら、次の味が現れる。
副流煙には、酸味のあるコーヒーのようなニュアンスまで出てきた。
構成する香りがあまりにも多い。
香りと味の情報量で殴ってくる葉巻だ。
ドライチェリー、ダークチョコ、コーヒー、スパイス
少し進むと、ようやく一つのイメージが見えてきた。
ドライチェリー。
チェリー系の酸味がいる。
そこへ、
ダークチョコレート、コーヒー、スパイス。
全部を混ぜ合わせたような味だ。
さらにアーシーさが土台になり、その上へスパイスやロースト感が積み重なる。
この葉巻では、どうやら酸味が非常に重要な鍵になっている気がする。
甘酸っぱい果実感だけなら、華やかでエレガントな方向へ行きそうなものだ。
しかし、この葉巻は違う。
胡椒、土、ロースト、ダークカカオ、苦味。
それらが周囲を固めている。
結果として非常に重厚になる。
無骨な50代のイケオジがドライフルーツを齧っている
この味を吸っているうちに、妙な人物像が浮かんできた。
ドライフルーツと聞けば、どことなく華やかで上品なイメージがある。
しかしCosecha 149は違う。
無骨な50代のイケオジが、どっしりと構えながらドライフルーツを齧っている。
少し離れたバーカウンターに私はいる。
男はこちらを見てもいない。
何かを命令しているわけでもない。
しかし、圧倒的な存在感がある。
その存在感に影響され、私はなぜか自分のペース以上に杯を進めてしまう。
男が周囲を変化させているわけではない。
男がそこにいるだけで、周囲が勝手に変わってしまう。
そんな葉巻だ。
これは凄い。
個人的な好みとは少し違う。
しかし、
「この葉巻でなければダメ」
という人がいるのはとてもよく分かる。
ドリンクを合わせすぎてはいけない?
序盤では、モカ系のドリンクとカカオやコーヒーのニュアンスが自然に混ざった。
ただ、吸い進めるにつれて、
下手にドリンクを合わせない方がいいのではないか
と思い始めた。
この葉巻は、葉巻単体ですでに味を完成させている。
甘みやミルク感のある飲み物を加えるより、
ブラックコーヒー。
あるいは、
エスプレッソ。
そのくらいシンプルで強い飲み物の方が良いのかもしれない。
普通の葉巻ならエスプレッソに負けそうだが、Cosecha 149なら負けない気がする。
ただし私は普段ブラックコーヒーを飲まない。
後になって、この予想が別の意味で自分へ突き刺さることになる。
中盤|こちらの処理能力が追いつかない

中盤。
少しラッパーを修正した。
味の構成そのものは大きく変わらないが、若干苦味が強くなった印象。
そして困った。
パフが進まない。
美味しくないからではない。
複雑すぎる。
一度吸う。
ドライチェリー?
ダークカカオ?
コーヒー?
胡椒?
スパイス?
酸味?
苦味?
それを考えているうちに時間が経つ。
個人的には、
1パフを処理するのに2分以上ほしい。
しかし葉巻側はそう思ってくれない。
体感では1分程度で次のパフを要求してくる。
こちらは味を考えたい。
葉巻は燃えたがる。
ゆっくり味わいたいのに、妙にせっかちな葉巻である。
最大1cm近い燃え残り、そして立ち消え

私のパフ間隔では、ラッパーに帯状の燃え残りが出てきた。
最初は少しだった。
しかし最終的には、
1cm近い帯。
内部の燃焼だけ先へ進み、ラッパーが追いついていないように見える。
修正を繰り返したが、ついには立ち消え。
再着火した。
今回の燃焼トラブルが、
- 自分の長いパフ間隔
- 風
- フィグラードという形状
- 個体差
- 葉巻そのものの燃焼特性
のどれによるものなのかは分からない。
ただし今回の一本では、かなり燃焼へ気を使う必要があった。
味を考えるだけでも忙しい。
さらに燃焼まで見る。
疲れてきた。
終盤|イケオジ、エスプレッソを飲み始める

燃焼を修正して終盤。
ここで味は大きくダーク方向へ。
かなり強い苦味。
ただし、焦げたような単純なネガティブな苦味ではない。
重心がものすごく低い。
どっしりと沈む。
そして思った。
エスプレッソそのものだ。
さっきまでドライフルーツを齧っていた無骨な男が、今度は無言でエスプレッソを飲み始めた。
苦い。
とにかく苦い。
私は普段ブラックコーヒーすら飲まない。
やはり、この男と私の味覚的な相性はあまり良くないらしい。
甘党を認めてくれたイケオジ
ただし面白いことも起きた。
終盤になると、甘みのあるドリンクとの相性が悪くない。
序盤〜中盤では、
「この完成された味に余計なものを足さない方が良いのでは?」
と思っていた。
しかしエスプレッソ級の苦味まで来ると、ドリンクの甘さが受け皿になってくれる。
どうやら時間をかけて、
ダンディな男も私の甘党を認めてくれたらしい。
少しだけ仲良くなれた。
それにしても苦い。
そしてハエが狂ったように寄ってきた
終盤。
なぜかハエが狂ったように寄ってきた。
理由は分からない。
ただ、
ハエはこの葉巻が好きらしい。
私はかなり疲れている。
ハエは元気である。
指4本分|もうやめたい
残り指4本分。
喫煙時間は約70分。
もうやめたい。
しかしレビューなので、少し修正しながら頑張ってみる。
それにしても大変だ。
体感としては、
食べ放題の終了寸前より大変。
実際には70分しか吸っていないのに、感覚としては2時間くらい吸っている。
情報量。
濃さ。
苦味。
燃焼管理。
全部が重い。
この圧倒的な終盤を好きな人もいるのだろう。
むしろ、そこに惚れる人がいてもおかしくない。
しかし私は限界である。
最後にパージして終了

どうせなら最後にパージも試してみる。
2回ほど実施。
すると、
酸味のあるコーヒー。
確かに味はある。
完全に壊れているわけではない。
ただし、
もう無理。
残り指4本ほど。
喫煙時間75分。
ここで終了した。
物理的にはまだかなり吸える。
しかし、
「まだ吸える」と「まだ吸いたい」は別物だ。
私はもう十分だった。
最後まで吸える人は本当に尊敬する。
総評|凄い。でも私には重すぎた
Plasencia Cosecha 149 Cortez Figurado。
ものすごく特徴的な一本だった。
ドライチェリー。
ダークカカオ。
コーヒー。
胡椒。
スパイス。
ロースト。
アーシー。
酸味。
苦味。
次々に味や香りが現れる。
一言で表すことが非常に難しい。
そして、その難しさこそがこの葉巻の個性なのだと思う。
完成度は高い。
唯一無二感もある。
「これじゃなきゃダメ」
と思う人がいることも理解できる。
ただ、私自身の好みとは少し違った。
特に終盤。
エスプレッソのような重い苦味は、自分には強すぎる。
さらに味の情報量が多いため、1パフごとに頭を使う。
私はこちらのペースでゆっくり味わいたい。
しかし葉巻はそれを許してくれない。
燃焼まで急かしてくる。
結果として75分なのに、体感では2時間。
葉巻を一本吸ったというより、一人の圧倒的な人物と75分間ずっと同席していたような疲労感だった。
好きかと言われれば、そこまでではない。
もう一度買うかと言われれば、恐らく買わない。
でも、
凄い葉巻だったか?
と聞かれれば、
間違いなく凄かった。
評価
| 評価項目 | 点数 | 評価理由 |
|---|---|---|
| 味 | ★★★☆☆ | ドライチェリー、ダークカカオ、コーヒー、胡椒、複雑なスパイスが重なる唯一無二の味。完成度は非常に高いが、終盤のエスプレッソのような重い苦味まで含めると自分の好みとは合わなかった。 |
| 煙量 | ★★★☆☆ | 十分な煙量はあるが、今回は煙の量より圧倒的な味と香りの密度が印象に残った。 |
| 甘み | ★☆☆☆☆ | カラメルやドライチェリーを思わせる甘みは僅かにあるが、主体は酸味、スパイス、ロースト、苦味。甘口を求める葉巻ではない。 |
| 変化 | ★★★☆☆ | 胡椒主体からドライチェリー、ダークカカオ、コーヒーへ進み、終盤はエスプレッソ級の重い苦味へ。変化はあるが、一貫して濃密で重厚。 |
| コストパフォーマンス | ★☆☆☆☆ | 約1,800円で75分、しかもかなり残して終了。完成度は高いが、自分にとって価格に対する満足度は低かった。 |
| 作り | ★★★☆☆ | ドローは良好。一方で内部燃焼が先行するような状態となり、最大1cm近い帯、複数回の燃焼修正、再着火が必要だった。 |
| 満足感 | ★★★☆☆ | 唯一無二の味と完成度への驚きは大きい。しかし情報量と終盤の重さで非常に疲れ、75分以上に長く感じた。 |
| 再購入 | ★☆☆☆☆ | 完成度と個性は認めるが、自分の好みとはかなり違う。ハマる人がいるのは理解できても、自分から再び買いたいとは思わない。 |
| 読書適性 | ★★☆☆☆ | 1パフの情報を処理するだけでも時間が欲しく、燃焼管理にも気を使う。葉巻への意識をかなり取られるので読書向きとは言いにくい。 |
また買う?
★☆☆☆☆
恐らく買わない。
ただし、
「美味しくないから買わない」ではない。
ここは強く言っておきたい。
この葉巻は非常に完成度が高いと思う。
他ではあまり感じたことのない味もある。
個性も凄い。
ただ単純に、
私と合わなかった。
甘党の私には、終盤のエスプレッソおじさんが強すぎた。
もしダークローストのコーヒー、ブラックコーヒー、強い苦味、複雑なスパイスが好きなら、私とはまるで逆の評価になる可能性もある。
そういう葉巻だと思う。
最後に
最初はキャップのピッグテールを見て、
「豚がいる。仲間だ。」
などと言っていた。
75分後。
仲間だと思っていた豚はどこかへ消え、
そこには、
無骨な50代のイケオジと、狂ったように飛んでくるハエと、疲れ果てた私だけが残っていた。
凄い葉巻だった。
しかし次に会った時は、
少し離れた席から眺めるだけにしておこうと思う。

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