結論から言うと、Flor de Oliva Torpedoは、「安い葉巻として美味しい」のではなく、価格を知らずに吸っても普通に美味しい葉巻だった。
ウッディ、ナッツ、香ばしさを軸に、ボディはミディアム。
それでいて味と余韻はかなり強く、中盤まではドリンクが必要ないほど完成されている。
終盤には苦味や渋みが増えるものの、途中から明確なバターも登場した。
通常どおり課税されても着地約750円。
800円だったとしても、十分に納得できる完成度だ。
ただし、指3本分を超えて深追いすると、溶けたビニールや海外製グミを思わせるネガティブな甘みが現れる。
美味しいうちに終えるなら指3本前後。バターを追うなら、多少の犠牲を覚悟しよう。
✅おすすめする人
- 1,000円以下でも上品な味わいを求める人
- ウッディ、ナッツ、香ばしい葉巻が好きな人
- ボディの強さより、味の濃さや長い余韻を重視する人
- ドリンクなしでも成立する葉巻を探している人
- 約60分吸える、普段使いのトルペードが欲しい人
❌おすすめしない人
- 終盤まで雑味なく吸い切れる葉巻を求める人
- ウッディな渋みが苦手な人
- 大量の煙を楽しみたい人
- 灰の丈夫さを重視する人
- 国内で簡単に購入できる葉巻を探している人
※国内未流通のため、この記事に商品広告や購入リンクは掲載していません。


Flor de Oliva Torpedoの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄 | Flor de Oliva Torpedo |
| メーカー | Oliva Cigar Co. |
| 生産国 | ニカラグア |
| サイズ | 6 1/2インチ × 52RG |
| ビトラ | トルペード |
| ラッパー | インドネシア |
| バインダー | ニカラグア |
| フィラー | ニカラグア |
| 購入価格 | 約625円 |
| 通常課税時の目安 | 約750円 |
| 喫煙時間 | 約60分 |
| カット | フラットカット |
| ドリンク | モカプロテイン入りコーヒー |
| 天候 | 曇り時々雨・風強め |
| ボディ | ミディアム |
| 燃焼修正 | なし |
| ニコチン | 普通 |
Oliva公式サイトにも、Flor de OlivaのTorpedoは6.5×52、インドネシア産ラッパーとニカラグア産バインダー・フィラーを使用したミディアムボディの葉巻として掲載されている。
今回の約625円という価格は、2回注文したうちの1便が課税されずに届いたため。再現性のある価格ではない。
通常どおり課税されていれば、着地は約750円になる計算だ。
なお、2026年8月時点では国内未流通。今回は個人輸入で入手している。
外観と着火前の香り

やや素朴な茶色のラッパーで、葉脈や巻き目は目立つ。
高級葉巻のように整った外観ではないものの、茶色と金色を使ったバンドには落ち着いた品がある。
ラッパーからは、強めのウッディ、ロースト感、ほんのりカラメルや三温糖を思わせる甘い香り。
フットからは、ごく薄い段ボールのような香りを感じた。
トルペードの先端をフラットカット。
ドローは最初から良好だった。
序盤|6ドル級を3.5ドルの予算で作ったような味

煙を普通に吐くと、ウッディ、ほんのりナッツのような甘み、香ばしさ。
レトロヘイルではウッディさがさらに強くなり、ナッツの甘みも濃く感じられる。
普通に吐いても、鼻から抜いても美味しい。
個人的には、味の輪郭がより明確になるレトロヘイルの方が好みだった。
ボディはミディアム。
安い葉巻にありがちな粗さや、刺激で味を濃く見せるような印象はない。
しっかり上品にまとめられており、味の厚みだけなら、もっと高価格帯の葉巻にも負けていない。
感覚としては、
6ドルほどの葉巻を、3.5ドルの予算で頑張って作りました。
といったところ。
普通に美味しい。
モカプロテインコーヒーとの相性
ドリンクとの相性は、決して悪くない。
ただし、コーヒーやカカオの渋みが、葉巻のウッディな渋みを持ち上げているように感じた。
この葉巻で目立たせたいのは、木の渋みよりナッツの甘みだ。
モカコーヒーよりも、甘いチョコレートドリンクやココアの方が合うかもしれない。
葉巻にコーヒーなら何でも合う、というわけではないらしい。
指2本分|薄いスパイスが甘みの輪郭を描く
指2本分ほど吸い進めると、本当に薄いスパイスが見え始めた。
辛さが増したというほどではない。
しかし、そのわずかな刺激が輪郭線となり、序盤からあったナッツ系の甘みが、よりはっきりと感じられる。
これまでFlor de Olivaには、もっとウッディな印象を持っていた。
もしかすると、それは葉巻そのものだけではなく、過去に合わせたコーヒー系ドリンクがウッディな渋みを強調していた可能性もある。
この葉巻の本体は、単なる木ではない。
木を土台にした、甘いナッツ。
そんな印象へ変わってきた。
中盤|ボディではなく、長い余韻で満足させる

中盤では、煙を普通に吐いた後にナッツの甘みが残る。
レトロヘイルでは、反対にウッディな渋みが増した。
普通に煙を口内で味わって吐く人からの評価は、かなり高そうだ。
今まで吸った葉巻の中でも、味わいはかなり強く感じる。
ただし、レトロヘイルまで考慮すると、ボディそのものが強いわけではない。
この葉巻の特徴は、煙の重さではなく、後味の強さと余韻の長さにある。
味が口の中からすぐに消えず、ナッツとウッディの余韻が長く残る。
そして、このあたりまで来ると、ドリンクはいらないようにも思えてきた。
葉巻単体ですでに味わいが完成している。
価格を考えると、かなり完成度が高い。
灰は非常に脆く、少し長く伸びると簡単に崩れる。
ただし、ドローと燃焼は安定しており、最後まで修正は必要なかった。
終盤|トルペードはバターの原産地なのか

終盤に近づくと、突然バターが現れた。
これは間違いない。
昨日吸ったOscar 2012 Maduro Torpedoの嫌な記憶を、乳脂肪ですべて上書きしていく。
トルペードは、バターの原産地なのかもしれない。
しかし、そのバターは数パフで消えた。
なぜだ。
原産地、早くも閉山である。
その後は苦味とウッディな渋みが増し、後味にも少し苦さが乗り始めた。
ちょうどそのとき、地震が起きた。
私の心も揺れている。
バンドルセールを買うべきなのだろうか。
地震の揺れは止まった。
しかし、私の心の揺れは一向に止まらない。
そしてバンド手前まで吸い進めると、バターが再びやってきた。
嬉しい。
今度は数パフで消えず、バンド手前以降もしばらく残っている。
バンドの裏には、喫煙者向けの視力検査

バンドを外すと、裏側に小さく「cigar rings」と書かれていた。
なんとも粋な計らいじゃないか。
バンド手前から居座るバターを味わいながら、その小さな文字に感心する。
これは葉巻メーカーから出題された、喫煙者向けの視力検査なのかもしれない。
どうにか合格した私は、さらに吸い続ける。
いつかこの文字が読めなくなったとき、私は自分の老いを感じるのだろう。
すでに文字が少しかすれて見えるのは、印刷のせいだ。
きっとそうだ。
深追いすると、海外製グミ工場へ到着する
指3本分ほどになると、バターは再び鳴りを潜めた。
後味には、溶けたビニールを思わせるネガティブな風味が現れる。
それでも、土台となるウッディさとナッティさはまだ残っていた。
ここで改めてモカプロテインコーヒーを飲むと、甘味料の甘さがネガティブな風味を覆い隠してくれた。
序盤ではウッディな渋みを強調していたドリンクが、終盤になって初めて役に立つ。
美味い。
指2.5本分では、指と煙に熱を感じ始めたため、パフ間隔を長めに取る。
本来なら、ここで消してもよかったのかもしれない。
しかし、まだバターがうっすらと残っている。
辞めるわけにはいかない。
さらに指2本分まで吸うと、ネガティブな甘みが支配的になった。
海外製のグミを思わせる、やや人工的な甘み。

煙も熱くなってきたため、ここで終了した。
喫煙時間は約60分。
総評|安いのに美味しい、ではない
Flor de Oliva Torpedoは、ウッディ、ナッツ、香ばしさを中心にしたミディアムボディの葉巻だった。
味の軸は大きく変化しない。
しかし、薄いスパイスによって甘みの輪郭が立ち、中盤ではナッツの長い余韻、終盤ではバターが現れる。
派手な展開ではないが、味の完成度は高い。
特に印象的だったのは、ボディの強さに頼らず、後味と余韻で満足感を作っていること。
中盤まではドリンクが不要なほど完成されていた。
一方、終盤を深追いすると、ビニールや海外製グミを思わせるネガティブな甘みが出る。
この葉巻の美味しい終了地点は、指3本前後だと思う。
バターを追いかけなければ、非常にきれいに終われる。
私は追いかけた。
後悔はしていない。
項目別5段階評価
| 評価項目 | 点数 | 評価理由 |
|---|
| 味 | ★★★★★ | ウッディ、ナッツ、香ばしさを軸に、長い甘い余韻と終盤の明確なバターまで楽しめた。深追いすると雑味が出るが、美味しい区間の完成度は非常に高い。 |
| 煙量 | ★★★☆☆ | 煙量は標準的。味と余韻は強いが、大量の煙を出すタイプではない。 |
| 甘み | ★★★★☆ | ナッツ系の自然な甘みが後味に長く残る。終盤にはバターも現れるが、最後は人工的な甘みに変化した。 |
| 変化 | ★★★☆☆ | ウッディとナッツを軸に、薄いスパイス、苦味、バターへ変化する。ただし全体の方向性は一貫している。 |
| コストパフォーマンス | ★★★★★ | 通常課税でも約750円。800円でも十分に納得できる、価格帯を大きく超えた味わい。 |
| 作り | ★★★★★ | ドローは良好で、燃焼修正は一度もなし。灰はかなり脆いが、巻きと燃焼性能には問題がなかった。 |
| 満足感 | ★★★★★ | ミディアムボディながら味と余韻が強く、約60分をしっかり楽しめた。 |
| 再購入 | ★★★★★ | 価格、味、吸いやすさのすべてが優秀。国内未流通なのが惜しいが、個人輸入してでも常備したい。 |
| 読書適性 | ★★★★☆ | ボディが強すぎず、ドローと燃焼も安定。灰が脆いため、本へ落とさないよう少し注意が必要。 |
再購入について
再購入する。
通常課税で約750円。
多少価格が上がって800円になっても、問題なく買いたい。
安い葉巻として合格なのではない。
もっと高い葉巻と並べても、味と余韻の完成度で十分に戦える。
Flor de Olivaのバンドルセールが気になっていたが、今回のレビューによって、心の揺れはさらに大きくなった。
地震は止まった。
セールは、まだそこにある。
Flor de Oliva Maduro Robustoをレビュー|角材で殴られる濃厚マデューロFlor de Oliva Maduro Robustoをレビュー。強烈なウッディ、ナッツ、カカオ、ローストコーヒーを感じる濃厚なマデューロ。単体評価とモカコーヒーとのマリアージュ、45分の味の変化を紹介します。
最後に
バターは一度消え、また戻ってきた。
私はそのわずかな気配を追いかけ、指が熱くなるまで吸い続けた。
その結果、最後に待っていたのは海外製グミだった。
普通なら、もっと早く消すべきだったのだろう。
しかし、あのバターがもう一度戻ってくる可能性を知ってしまった以上、途中で諦めることはできなかった。
葉巻のバンド裏にある小さな文字を読み、地震に揺られ、バンドルセールを買うか迷いながら、バターを追う。
これが750円で味わえる。
安いのは葉巻なのか。
それとも、私の理性なのか。


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