Factory Smokes Maduro Toroは、マデューロとしては比較的軽く、序盤から濃厚な甘みやカカオを押し出すタイプではない。
しかし、中盤以降はナッツとカカオが徐々に厚みを増し、終盤には苦味を伴ったマデューロらしい味わいが現れる。
今回はかなりの強風の中で吸ったため、片燃えと燃焼修正を繰り返す厳しい条件だった。それでも、修正直後にはナッツの甘みとカカオの美味しさが戻ってくる。
最高の環境で丁寧に味わう一本というより、日常の中で多少ラフに扱っても、80分の満足を与えてくれる葉巻だった。
同じFactory Smokesでも、より軽くクリーミーな味わいが気になる方は、Factory Smokes Shade Robustoのレビューもどうぞ。

✅おすすめする人
- 軽めで日常的に吸えるマデューロを探している人
- 500円前後で1時間以上楽しみたい人
- 序盤から濃厚な葉巻より、徐々に味が育つ葉巻が好きな人
- コーヒーやチョコレート系の飲み物と合わせたい人
- 読書や作業をしながら気軽に吸いたい人
❌おすすめしない人
- 最初の一口から濃厚なカカオや甘みを求める人
- 終盤まで雑味なく吸えることを重視する人
- 片燃えや脆い灰を気にせずにはいられない人
- Factory Smokes Maduro Robustoのような、より濃いマデューロ感を期待する人

基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|
| 銘柄 | Factory Smokes Maduro |
| メーカー | Drew Estate |
| ビトラ | Toro |
| サイズ | 6インチ × 52リング |
| ラッパー | Maduro |
| バインダー | Indonesian |
| フィラー | Central American |
| カット | 9mmパンチ |
| 喫煙時間 | 約80分 |
| 飲み物 | ミルクチョコプロテイン |
| 天候 | 曇り、ときどき弱い雨、強風 |
| 購入価格 | 約500円 |
外観・プレドロー

ラッパーからは、ウッディ、カカオ、ロースト、レザー、酸味のあるコーヒーを感じた。
フット表面の香りは紙に近い。鼻を近づけて奥まで探ると、ようやくタバコ葉らしい香りが現れる。
9mmパンチでカット。ドローはほんの少し重い程度だった。
着火前に4回空パフを行い、火を入れた。
序盤|オイリーだが、強風で味が消える

普通に煙を吐くと、味が薄すぎて判別しづらい。
少しタバコ臭さはあるものの、煙の質感は非常にオイリーだった。
レトロヘイルでは、ハーブ、ミントのような軽い清涼感、ナッツ、薄いカカオが現れる。ボディはミディアムライト。
ミルクチョコプロテインとの相性は非常によく、飲み物を合わせることでナッツの風味が持ち上がった。
一方、この日はかなり風が強い。
ラッパーが帯状に燃え進むような片燃えが起こり、火種を維持するために普段より強く、早く吸わなければならなかった。
その影響か、レトロヘイルで一度だけ消毒液のような香りを感じた。葉巻を吸っていて初めての経験だった。
強風で燃焼温度が上がり、強く吸い込んだことで、本来とは異なるネガティブな味が出たのだと思う。
時折、風が弱まると、いつものFactory Smokes Maduroらしい味に戻る。
副流煙にもローストしたカカオがありそうだったが、風に流されて正確には確認できなかった。
序盤の後半から、徐々にボディの厚みが増していく。
中盤|味は変わらず、層だけが厚くなる

中盤に入ると、ボディはミディアムまで厚みを増した。
もともと片燃えしやすい個体に加えて、この日は強風である。何度修正しても燃焼が偏るため、途中からは気にしすぎない方がよいのかもしれないと思い始めた。
味わいの方向性に大きな変化はない。
序盤から続くナッツと薄いカカオを中心に、味の層だけが少しずつ厚くなっていく。
ただし、片燃えしている時には、どこか一味足りないように感じた。燃焼を修正すると味の厚みが戻るため、本来の味を楽しむためにも、できれば風の影響を受けない環境で吸ってほしい。
個人的には、マデューロとしては少し味が薄く、物足りなさもある。
一方で、その軽さが日常に寄り添いやすいとも言える。
Factory Smokes Maduro Robustoの方が、カカオやマデューロらしい濃さは強い。ロブストはじっくり味わいたくなるが、Toroは不思議と少し雑に吸った方が美味しく感じる。
より濃いカカオとマデューロらしさを求める方は、Factory Smokes Maduro Robustoのレビューもどうぞ。

長い葉巻は序盤が弱い。
そういうものだと理解して吸うなら問題ないが、最初から濃さを求める人にはRobustoの方が向いているだろう。
序盤に感じた清涼感は、中盤では消えていた。
灰は見た目以上に脆く、軽く触れただけでも崩れそうだった。強風下では特に注意が必要である。
終盤|ようやく現れるマデューロらしさ

終盤に入ると、ナッツとカカオが味の中心になった。
そこへ苦味が加わり、全体の厚みを作っている。
ここまで来て、ようやくマデューロらしさが見えてきた。序盤から中盤までの軽い味わいは、この終盤を迎えるための前菜だったのかもしれない。
一方で、最初から重すぎないことは、朝の一本目として考えるとありがたい。
片燃えしたラッパーを修正すると、味の厚みが戻るだけでなく、ナッツの甘みまで増したように感じられた。
これが実に美味しい。
しかし、強風のため、その美味しさを楽しめるのはわずか2パフほどだった。すぐに燃焼が乱れ、また味が崩れてしまう。
幸せは長く続かないのだと言われているようで、なんとも儚い。
それでも私は、その数パフの美味しさを得るために火を修正し、また吸う。
これで4度目の修正だった。
そこまでして吸うのは無駄な努力だと思う人もいるかもしれない。
だが、手をかけた後に味が戻るからこそ、その美味しさまで増して感じられる気がしてならない。
ただ一つ、はっきりと言える。
Factory Smokes Maduro Toroは、これほどの強風の中でも、まだ美味しかった。
指4本分|500円の葉巻に、どこまで求めるのか
残り指4本ほどになると、苦味がかなり強くなった。
やはりFactory Smokesは、バンド付近が味のピークに思える。他の葉巻と比べると、少し早い気もする。
だが、この価格の葉巻に、そこまで求めてよいのだろうか。
わずか2ドル程度の葉巻に対して、指1本分になるまで美味しく吸わせろというのは、少し傲慢な気がする。
バンド付近で吸い終えたとしても、すでに約60分楽しめている。
私は、それで十分だと思う。
もちろん、今回はまだ吸い続けた。
強風のため、普段よりかなり早いペースでパフしている。火種を消さないよう、葉巻の燃焼についていくだけで精一杯だった。
風のない環境でゆっくり吸えば、90分ほどは十分に狙えるだろう。
指3本分|ピークはもう戻らない
残り指3本ほどになると、えぐみが目立ち始めた。
パフ間隔が早かった影響もあるだろうが、Factory Smokesは終盤に失速しやすい。
それでも奥には、まだナッツとカカオが潜んでいる。
美味しいと言い切れる状態ではないが、十分に吸い続けられる味ではある。
ただし、このあたりから現れるタール由来と思われる強い苦味は、どこか人工的な甘さにも感じられた。
こうした味が苦手な人は、バンド付近で切り上げた方がよい。
そこから先に、ピークの美味しさがもう一度やって来ることはなかった。
終盤にミルクチョコプロテインを合わせると、カカオの苦味とウッディな渋みが強調される。
これはこれで美味しい。
しかし、同時にネガティブな味も強くなっていた。
残り指2本ほどで終了。喫煙時間は約80分だった。
総評|悪条件でも日常の80分を成立させる葉巻
Factory Smokes Maduro Toroは、最初から濃厚なマデューロを楽しむ葉巻ではない。
序盤はミディアムライトで、ナッツ、ハーブ、薄いカカオを中心とした軽い味わい。中盤から厚みが増し、終盤でようやくカカオ、ナッツ、苦味を伴ったマデューロらしさが現れる。
濃さを求めるなら、Robustoの方が満足しやすい。
しかし、Toroには長く、気軽に、少し雑に吸える良さがある。
今回は強風により4度の燃焼修正が必要だった。煙や副流煙も風に流され、葉巻本来の味を完全に確認できたとは言い難い。
それでも、修正直後の数パフには明確な美味しさがあった。
強風の中で吸うことは、決して良いことではない。
ただ、こうした悪条件を経験するからこそ、風のない環境で吸う葉巻の美味しさを、より一層強く感じられるのだと思う。
個人的に、葉巻の最大の敵は風だ。
それでも約500円で80分。バンド付近まででも、約60分は十分に満足できる。
私は、それ以上をこの葉巻に求めない。
評価|味は高評価、コスパは文句なしの満点
| 評価項目 | 点数 | 評価理由 |
|---|---|---|
| 味 | ★★★★☆ | 序盤は軽いが、中盤からナッツとカカオに厚みが増し、終盤にはマデューロらしい苦味とコクが現れる。 |
| 煙量 | ★★★★☆ | オイリーな質感を伴う十分な煙量。ただし今回は強風のため、本来の煙量を正確に判断しづらかった。 |
| 甘み | ★★★★☆ | 燃焼修正直後にナッツの甘みが増した。ミルクチョコプロテインとの組み合わせでも甘みが持ち上がる。 |
| 変化 | ★★★★☆ | ハーブ、ナッツ、薄いカカオから始まり、徐々に苦味と厚みを増していく。劇的ではないが、時間とともに味が育つ。 |
| コストパフォーマンス | ★★★★★ | 約500円で80分。バンド付近まででも約60分楽しめるため、この価格帯としては文句がない。 |
| 作り | ★★★☆☆ | 灰は脆く、片燃えも発生した。強風の影響は大きいが、今回は4回の燃焼修正が必要だった。 |
| 満足感 | ★★★★☆ | マデューロとしては軽いが、日常的に吸いやすく、強風の中でも確かな美味しさを残した。 |
| 再購入 | ★★★★☆ | 濃さではRobustoが上だが、長く気軽に吸えるToroにも独自の使いやすさがある。 |
| 読書適性 | ★★★★☆ | 重すぎず、味を追い続けなくても楽しめる。風のない環境なら90分前後の読書時間にも合わせやすい。 |
リピート購入について
再購入は十分にあり。
Factory Smokes Maduroの濃さを重視するならRobustoを優先するが、Toroには日常で気軽に長く吸える良さがある。
特に、朝の一本目や読書をしながら吸う場面では、序盤の軽さも欠点だけではない。
ただし、終盤まで無理に吸う必要はない。
バンド付近で十分に満足できたなら、そこで終える。それでも約60分楽しめている。
500円前後の葉巻としては、それで十分である。
最後に
強風の中で葉巻を吸うのは、やはりおすすめできない。
燃焼は乱れ、味は薄くなり、修正しても数パフでまた崩れる。
しかし、火を直した直後だけ戻ってくるナッツの甘みとカカオは、普段より美味しく感じられた。
手をかけたから美味しくなったのか。
それとも、美味しさが長く続かないから、その一瞬を強く感じただけなのか。
答えは分からない。
ただ、今回の葉巻を吸い終えたことで、次に風のない環境で吸う一本は、きっといつもより美味しく感じるだろう。
葉巻の最大の敵は風だ。
そして、その敵がいるからこそ、穏やかな日の一服がより美味しくなる。


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